キャラクター・ブランドを活用してみたいけど、何から始めればよいかわからない…
そんな方のために、ライセンスビジネスの基本をまとめました。
初心者もぜひご来場を! ライセンスビジネス基礎知識
Q1:ライセンシングとは?
A1:ライセンシングとは、ライセンス所有者、小売業者、メーカーがライセンス対象となるものの商品化に関して契約を取り交わすこと。ライセンス契約。契約内容は、あらゆる製品カテゴリー、地域において、一定期間に渡り、ライセンス所有者及びライセンス使用許諾者の両方に適用される。
Q2:IP(知的財産)とは?
A2:プロパティ、またはIPと略されることが多い。ライセンス契約において、映画、本、TVのキャラクター、人気TV番組やヒット映画、著名人の名前やサイン、スポーツチームや選手、スタジアム、博物館や歴史的建造物、ロゴ、アート、デザイン集、食品・生活用品・ファッションのブランド等、あらゆるカテゴリーが対象となる。
Q3:ライセンサー、ライセンスエージェント、ライセンシーとは?
A3:ライセンサーはIPやブランド(商標)の保有者。ライセンスエージェントはライセンサーから特定のIPのライセンス管理を任された会社。ライセンシーはIP使用権を供与されたメーカー、小売業者、サービス業者、代理店等。
Q4:ライセンス契約とは?
A4:ライセンス契約とは、ライセンサーとライセンシーの間で交わされる、合意された期間、合意された地域においてライセンシーが商品化のためにIPを使用する権利を示す法的文書。
ライセンス契約には以下の3種類がある:
スタンダードライセンス契約
最も一般的なライセンス契約。ライセンシーは契約で合意した範囲内で自由に商品を販売することができる。製品種類が多岐に渡れば渡るほど、顧客ベースの範囲も広がり、販売地域が広がれば広がるほど、売上やロイヤリティの増加に繋がる。
三社間ライセンス契約
小売業者と卸売業者が独占契約を結ぶことで、法的な責任を負う(ライセンサーとの契約書に記名される)のは卸売業者(ライセンシー)だが、小売業者も商品化された製品の購入責任を負うことになる。これにより、ライセンシーは自社のリスクを軽減すると同時に、小売業者の利幅を増加させることができるようになる。ライセンシーが複数の小売業者とそれぞれの指定する卸売業者とこのような契約を結ぶケースもある。
DTR(direct to retail)ライセンス契約
ライセンサーが直接小売業者とライセンス契約を結び、小売業者は独自の商品供給網を使ってプロパティの商品化を行い、ライセンサーにロイヤリティを支払うこと。小売業者は独自の供給網を使うことで利幅の増加が可能となり、ライセンサーは商品が確実に店頭に並ぶという保証を得られる。
Q5:非独占ライセンス契約とは?
A5:非独占ライセンス契約とは、ライセンサーが複数のライセンシーにIPの使用権限を与えることができる契約。よほど高額の保証金を払っている場合を除き、ライセンス契約の大半は非独占契約である。ただし、ライセンサーが同一カテゴリーの商品化を行う複数のライセンシーと契約を結び、競合させるようなことはほとんどない。
Q6:独占ライセンス契約とは?
A6:独占ライセンス契約とは、特定の一社のみをライセンシーとし、そのIPの商品化を行えるのはライセンサー自身とそのライセンシーのみとする契約。
Q7:ロイヤリティ、前払い金、最低保証金とは?
A7:ロイヤリティ
ライセンサーに支払われる(またはエージェントが代理で集金する)IP使用料。通常は総売上から一定の控除額を差し引いたものに対して支払われる。
前払い金
ライセンス契約の締結から商品化、店頭販売までには何か月もかかるため、通常ライセンシーは契約締結の時点でライセンサーにロイヤリティの前払いを行う。この支払い分は将来的なロイヤリティ支払額と相殺される。
最低保証金
商品化された製品の売上に関わらず、ライセンシーがライセンサーに支払うことを義務付けられたロイヤリティの前払い金額。通常、そのライセンス契約によるロイヤリティ推定総額に対する%で算出される。
Q8:ライセンス保有者がライセンス契約を結ぶ利点とは?
A8:ライセンス保有者がライセンス契約を結ぶ利点には下記が挙げられる
・高い初期コストをかけたり、地域独自の傾向に関する知識を自ら学んだりすることなく、新たな市場の開拓ができる
・そのエリアの専門知識を持つ企業をパートナーとすることで、製造工程や製造ラインを自ら開拓することなく新しいカテゴリーへの参入が可能となる
・店頭での棚占有率を上げ、保有ブランドの届く範囲と収益の見込みを拡大できる
・保有ブランドの認知度を上げ、相互交流を促進する
・保有プロパティの使用によるロイヤリティ収入を得られる。
Q9:小売業者がライセンス契約を結ぶ利点とは?
A9:ライセンス契約を結ぶことによる小売業者への利点は多く、
・話題性と関連性の向上 - ライセンシング契約により、明確なデザインとコンセプトを持った商品を店頭に並べることで、話題を呼ぶ
・そのブランドのファンを取り込むことによる、売上増と商品カテゴリーをまたいだ購入促進
・人気ブランド保有者とビジネスを行うことで、そのブランドの商品化および販売における独占権を得られたり、競合他社よりも優位な立場を確立して選ばれる業者になることができる。
Q10:メーカーがライセンス契約を結ぶ利点とは?
A10:メーカーは、ライセンス契約により自社の商品価値を上げることができる。具体的な利点としては、
・競合他社商品との差別化 - ブランドIPの使用により、店頭で自社製品を目立たせることができる
・商品独自の魅力だけでなく、使用ブランドのファン取り込みによる売上増を見込める
・同一分野内におけるライセンスビジネスのエキスパートとなり、自社の評判を高めることで他の人気ブランドにも選ばれるメーカーとなる。
Q11:ライセンス契約を結ぶには?
A11:このように利点の多いライセンスビジネスに参入する方法は、置かれている立場や目指すものによって様々である。
・ブランドやデザインのクリエイターの場合、自身が作り上げたものとそれらのIPを確保した上で、商品化したり消費者の手元に届けてくれたりするメーカーや小売業者の選定を行う。
・ライセンス商品の製造に携わりたいメーカーであれば、関心のあるブランドの保有者にコンタクトを取り、商品化を図るパートナーとして自社が適していること、どのようなことが達成できるかを売り込む。