コミュニティマーケティングの現在地とは?学び、つながり、実践へ。
Community park 2026 開催レポート【後編】
▼ この記事でわかること
● ファンをブランドづくりの相手として捉える「共創」の考え方
● 学びを実践へつなげる、展示会ならではの役割
● 自社に合ったコミュニティを考えるための視点
Community parkでは、3日間にわたり、多様な業界・テーマのセッションが行われました。
前編では、コミュニティマーケティングが、顧客との向き合い方からブランド・事業戦略へ広がっている変化を見てきました。
後編で考えるのは、その関係をどう実践へつなげるかです。企業とファンは、コミュニティを通じて何を一緒につくれるのか。セッションで得た学びは、どのように相談や次の行動へつながるのか。Community parkで扱われた共創の事例と、展示会場で確認できた参加者の動きから読み解きます。
◆Community parkから見えた、コミュニティマーケティングの現在地(続き)
4. 企業がつくるブランドから、ファンと共につくるブランドへ
Community parkで繰り返し登場したキーワードの一つが、「共創」です。
セッション「あの企業が実践!ファンの熱狂を高める、話題の『共創』とは」では、ファンを商品の購入者としてだけでなく、事業やブランドづくりに関わる相手として捉える企業事例が扱われました。ファンが自ら意見を伝え、アイデアを出し、ブランドの価値を広め、時には企業と一緒に新しいものをつくるパートナーとなっていく事例が語られました。
また、やおきんの「カシフリーク2.0構想」を扱ったセッションでは、11月11日の「うまい棒の日」を瞬間風速的に盛り上げるのではなく、ファンとのコミュニケーションを積み重ねながら、駄菓子文化の継承へつなげるプロモーション戦略の舞台裏が紹介されました。
二つのセッションに共通するのは、企業が完成したものを届け、ファンが受け取るだけの関係にしないことです。商品や企画について意見を交わし、ファン自身の発信や参加を通じてブランドの意味を育てていく。
Community parkで扱われた「共創」は、商品開発に留まらない、企業とファンとの関係の変化を示していました。
セッション『あの企業が実践!ファンの熱狂を高める、話題の「共創」とは』
コミューン(株) エヴァンジェリスト 芳田 佳奈 氏
セッション『キーワードは粘着度?ファンコミュニティ『カシフリーク2.0 構想』
クラウドサーカス(株) シニアプランナー 大野 達郎 氏
(株)やおきん 営業企画部商品課EC責任者 小野 貴裕 氏
◆学びを、その場で相談・実践へつなげる
セッションで学んだことを誰かと話し、自社の課題へ置き換える。そんな流れをつくるため、Community parkでは、講演会場と展示ブースを近くに配置しました。
セッション終了後には、登壇テーマに関連するサービスを提供する出展企業のブースへ向かい、具体的な取り組み方を相談する参加者の姿が見られました。会場には「あなたに合うコミュニティパートナーを探そう」という案内も設けられ、来場者は、自身が抱えている課題や目的をもとに、自分に合ったパートナー企業に具体的な話を聞くために、ブースへと足を運びました。
セッションで学んだことを誰かと話し、自社の課題に置き換え、次の一歩を考える。 Community parkは、そうした学びから相談までの流れを、一つの会場の中につくりました。
◆ 「聞く」から、「話す」へ
Community parkでは、セッションだけでなく、ランチ会やラウンジなど、参加者同士が自然に会話を始められる機会も設けられました。
ランチ会は、コミュニティマーケティングに関心のある人や、すでに取り組んでいる人、登壇者などが交流し、講演で得た学びをもとに情報交換やネットワーキングを行う場として企画されました。
同じ課題を持つ企業同士が出会い、「自社も同じことで悩んでいる」と言葉を交わす。
支援企業へ相談しながら、「こんな進め方もあるのか」と新たな視点を得る。
登壇者へ直接質問し、セッションだけでは聞けなかったリアルな話を聞く。
そうした対話の積み重ねが、Community parkならではの価値になっていました。
コミュニティマーケティングをテーマにしたイベントだからこそ、参加者自身もまた、その場で小さなコミュニティを体験していたと言えるかもしれません。
ランチセッション『コミュニティマーケティング、どこから学ぶ? 実践者コミュニティ「CMC_Meetup」活用ガイド』
(株)コミュニティマーケティング総研 長橋 明子 氏
(一社)コミュニティマーケティング推進協会 小島 英揮 氏
(一社)コミュニティマーケティング推進協会 北川 佳奈 氏
Community park 特別企画ランチ会 開催の様子
◆ 展示会だからこそ、生まれる出会いへ
情報を得るだけであれば、オンラインでも可能です。
動画で講演を見たり、SNSで事例を知ったり、検索してサービスを比較したりすることもできます。
それでも、展示会というリアルな場には、画面越しでは生まれにくい価値があります。
偶然隣に座った人との会話。
展示ブースを歩くなかで見つけた、これまで知らなかったサービス。
セッション後に、学びをそのまま相談へつなげられる距離感。
そして、「同じ課題を持つ人が、こんなにもいる」と実感できる会場の空気。
初めから探していたものだけでなく、予想していなかった人や考え方、サービスと出会えることも、展示会の大きな役割です。
Community parkは、コミュニティマーケティングについて知識を得るだけでなく、人とのつながりや、次の行動につながる出会いまで持ち帰ることのできる場でした。
◆「なぜ必要か」から、「自社でどう取り組むか」へ
Community parkで実施されたセッションでは、コミュニティの必要性だけでなく、売上との向き合い方、参加人数以外の成果、ファンとの共創、顧客体験との接続など、運営や事業への具体的な論点が扱われました。
ただし、企業に共通する一つの正解が示されたわけではありません。多くの人が集まる場を目指す企業もあれば、少人数のコアファンとの継続的な関係を重視する企業もあります。商品、顧客、ブランドの歴史、コミュニティをつくる目的によって、必要な形は変わります。
Community parkでは、それぞれ異なる立場の実践者が、自社で積み重ねてきた試行錯誤を共有しました。
事例の方法だけを持ち帰るのではなく、その背景にある考え方を自社へどう置き換えるか。Community parkで扱われたテーマは、「コミュニティをつくるべきか」という問いから、「誰と、何を育てる場にするのか」という問いへ進んでいました。
◆ 参加企業から見たCommunity park
コミューン(株)のイベントレポートでは、基調セッションの内容や当日の様子が紹介されています。Community parkを参加企業の視点から振り返る記事として、あわせてご覧ください。
コミューン(株)運営のWebマガジン「Commune コミュニティコンパス」にて
『コミュニティマーケティングの現在地 ー 事例から学ぶ、脱“一方通行”マーケティング』のイベントレポートがアップされました。
https://commune.co.jp/magazine/260617_eventreport/
[あわせて読みたい]
▶ Community park 2026 開催レポート【前編】を読む
【前編】では、コミュニティマーケティングが注目されている背景や、Community parkで語られた内容をご紹介しています。まだ読んでいない方は、こちらもあわせて見てみてください。
Community parkについて詳しく知りたい方へ
CONTENT memo
浅川 温哉(コンテンツ東京 マーケティング統括)
「コミュニティ」というと、つい大きく考えてしまいます。何人集めるのか、どのツールを使うのか、どう成果を測るのか。考えることが増えるほど、最初の一歩が重くなることもありますよね。
でも、最初から完成した形を目指さなくてもいいのかもしれません。たとえば、少人数のファンに集まってもらい、商品やブランドについて率直な声を聞く会を一度開いてみる。まずは、そういった小さなチャレンジから始めてみる。
Community parkの事例を振り返りながら、コミュニティは、最初から正しい形を決めようとするより、まず小さく始めてみる。そして運営する側も参加する側も楽しみながら続けていくことがなにより大事なのかもしれないと感じました。
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